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Artist

山下 哲司


1968年静岡県浜松市生まれ。名古屋芸術大学美術学部デザイン科卒業後、グラフィックデザイナーとしてデザイン事務所勤務。大学在学時に一年間休学し、日本アフリカ文化交流協会ケニアスワヒリ語学院第30期生としてケニア渡航。卒業後ジンバブエなど5カ国を旅する。帰国後、旅の経験を元に貼り絵の制作を始め、2007年カンヌ国際展覧会での受賞を機に作家として独立。活動を始める。他に類を見ないユニークな手法はオランダで「ペーパーキルト」と評され、個展・グループ展を通して国内外で発表されている。

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普遍のリズム。今、そこにある色。(アーティスト ステートメント)


「あの黒い雲がここに来るまで2時間くらいある。」。アフリカ。突然のスコールに雨宿りしていた時の事。同じ軒下で老人と交わしたわずかな会話が、色紙という素材を使い、異国であるアフリカを表現する意味を決定づけた。陽は上り、また沈む。太古から変わらぬリズム。「生きる」というすべての生き物にとって根幹となる問いは、本能ともいえる五感と第六勘の中に息づいている。そこにあるのは計算や理屈ではない。感じ、捉える部分もそれぞれに違う一編の詩のようなものである。「絵と詩があって一つの作品」という私のコンセプトはここにある。 私が表現を試みているのは「生きる」である。1990年、夏。「ライオンが見たい。」たったその一言だけで私はアフリカへ飛んだ。動物園の疲れた目のライオンではなく、生きている目を見たかった。言葉を習い、一人で歩き、五感のすべてを使って旅を重ねた。その中で得た「今、そこにある色」と「アフリカで生きた」という事実が色紙という素材を使い、アフリカという生命を表現する根幹となっている。もちろん生命があるのはアフリカだけではない。いたるところに生命は宿り、そのリズムを奏でている。アフリカは私にとって原点でしかない。 「生きる」とは時に強く、時に儚い。若さもいつか老いを迎える。だが、そこに別の美が生まれる。紙も同じだ。幾百年もの時を経た紙に書かれた文字や絵には、時間だけが与える深みと当時を偲ばせるという輝きが加わる。作品が持つ色は、時を経るごとに変化する。それは見る者とともに歳を経るということ。歳を経るとは物語を生むということ。その物語を旅にたとえ、詩の奥に秘められた想いを作り手と鑑賞者の両者が分かち合うこと。それが私の作品コンセプトであり、「生きる」という表現なのである。

主な画歴
2023  個展(日本/名古屋市・ギャラリーMENIO、エスプラナードギャラリー)

2017  個展(日本/名古屋市・セントラルアートギャラリー、浜田市・島根県浜田市立石正美術館、浜松市・クリエイト浜松)

2012  個展(アメリカ/ニューヨーク・SPACE WOMb)

2009 「世界の文化とアートたち」カンヌ国際展覧会2009(フランス/カンヌ)

           環太平洋展(日本/中国/カナダ巡回)

2008 「世界の文化とアートたち」カンヌ国際展覧会2008(フランス/カンヌ)

           個展(日本/東京・ギャラリーG2、浜松・クリエイト浜松)

2007  個展(日本/東京・ギャラリー華音留<かおる>ジャパン)

          「世界の文化とアートたち」カンヌ国際展覧会2007(フランス/カンヌ)

2005  釜山国際デザインフェスティバル(韓国/釜山)

2004  バルセロナ国際ビエンナーレ(スペイン/バルセロナ)

2002  第17 回国民文化祭とっとり美術展出品

1997  第3 回ソウル・アジアグラフィックポスター展(韓国/ソウル)

 

受賞歴


2013 「国際切り絵コンクール イン 身延 ジャパン」優秀賞/身延町議会議長賞

2009 「世界の文化とアートたち」カンヌ国際展覧会2009 大金賞

           環太平洋展 カナダ国際文化交流協会賞

2008 「世界の文化とアートたち」カンヌ国際展覧会2008 大金賞

2007 「世界の文化とアートたち」カンヌ国際展覧会2007 銀賞